カナダでは近年、e-transferというemailアドレスを使用して送金するシステムが一般的になりましたが、生活していると支払相手に、「私はe-transferは使っていない」と言われたり、あるいは仕事をしていて小切手を作成する必要がある場合もあります。
小切手の作成の仕方
カナダの銀行に口座を作ると、小切手帳(Check book)が発行してもらえます。企業などは、その企業の小切手帳があり、経理担当者や個人事業主なら社長などが、署名権限を持っています。署名権限というのは、銀行に署名を登録していて、その人の署名がなければ支払い先は換金できません。そのため、署名権限を持つ人が小切手に署名することになります。
こちらは小切手見本で、左端にあるCanada Life Noteの小切手になります。
記入は黒か青のボールペンで!
まず、小切手を記入するときには、鉛筆ではなく、黒か青インクのペンを使用しましょう。字を消すことができるボールペンなども、書いた金額が変更される恐れもあります。消えないペンを使いましょう。
記入方法はいたって簡単。
1. 日にち
Dateとあるので、作成日を記入します。YYYYはYear、すなわち西暦、MMはMonth(月)、DDはDay(日)です。
ただし、小切手だと、Post-dated checkといい、先払い小切手を発行することもあります。(後述)
2.支払先
英語で記入します。下の例では、カナダ一郎(Ichiro Canada)さんに支払います。
3.支払金額(スペルで)
「$」マークの横は数字ですが、「/100 DOLLARS」の前のスペースには、英語のスペルで金額を記入します。
例では30ドル、Thirty dollarで、最後に改ざん防止のためにonlyと付けます。
4.支払金額(数字)
「$」マークの横は数字です。「$30」ではなく「 $30.00」とするのも改ざん防止のためです。
・たとえば30ドル49セントのように「セント」の位で数字がある場合、「/100」の前に「and」とともにセントの数字を記入します。
Thirty dollar and 49/100 DOLLARS
・Onlyの代わりに1本の横線を記入することもあります。
Thirty dollar ————–
5.Memo(備考)
何の支払いか備考を入れます。何も記入しなくても問題ありませんが、ビジネスで小切手を作成するときは、請求書番号125分というように、相手が何の支払いか分かるようにします。
6. 署名
ビジネスの場合、スタッフが小切手を作成して、最後に社長が署名するということもあります。この小切手は東京花子(Hanako Tokyo)さんが、署名権限を持っていて、花子さんが署名しました。
書き間違えた場合はどうする?
少々間違えても、間違えた部分に取り消し線を引いて正しい内容を記入。その上で、間違えた部分にイニシャル(例の場合HT)を書いておけば大丈夫。書き直しの必要はありません。しかしながら、金額や支払先についての変更は、銀行が受け付けず、ペナルティを課されてしまうこともあります。心配な場合は、小切手全面に大きくVoidと書いて、無効化しましょう。
また、訂正するときには、できるだけ他の部分を記入したのと同じペンを使いましょう。
砂消しゴムのようなものを使うのは不可です。
ボイドチェックって?
カナダで暮らしていて、就職したときなど、ボイドチェック(Void Check)を用意するように言われることがあります。
これは、雇用主が給与などを振り込むために、金融機関の情報が必要なためです。小切手見本の「5. 備考」の下の数字が金融機関の情報になっています。
ブランクの小切手に大きく「Void」と書いて提出しましょう。